妊婦の歯科治療について
妊娠中の歯科治療について
◎妊娠中期(5~7か月目)であれば、問題はほぼありません
妊娠中期(5~7か月目)は比較的安定した妊娠期間になります。妊娠中期であれば歯科治療は問題がないことがほとんどです。虫歯や歯周病など、各種歯科治療をお受けいただけます。
◎妊娠初期(2か月目まで)と妊娠後期(8~10か月目)は注意が必要です
妊娠初期(2か月目まで)はお母さんのおなかの中で赤ちゃんの身体ができあがる器官形成期になります。妊娠初期はお母さん・赤ちゃんともに外部からの刺激を受けやすいため、治療時には余計な刺激をあたえないよう注意が必要です。
また、妊娠後期(8~10か月目)もお母さんのおなかが大きくなり、歯科治療を受けることが大変になります。妊娠後期はいつ赤ちゃんが産まれるかわからないため、歯科治療はできるだけ控え、応急的な処置のみにとどめておくのがよいでしょう。
妊娠中の麻酔やレントゲンについて
Q. 妊娠中の麻酔は大丈夫なの?
A. 歯科治療で行う麻酔は歯ぐきへの局所麻酔です。使用する麻酔の量もきわめて少なく、おなかの中にいる赤ちゃんに影響がおよぶおそれはまずありません。
Q. レントゲンの放射線は平気なの?
A. 歯科の診察で使うレントゲンではあごの周辺部分のみを撮影します。このため、赤ちゃんへの放射線の影響はほぼ無視してもさしつかえない、非常に少ないレベルとなります。また、撮影の際は患者様に防護服を着ていただくため、きわめて安全です。
撮影時に受ける放射線の被ばく量についてですが、歯科用レントゲンの1回の撮影で受ける被ばく量は「約0.01ミリシーベルト」です。日本人が受ける1年間の放射線量が1人につき平均で5.98ミリシーベルト、がんの発生率が上がるとされる放射線量が1年間につき100ミリシーベルトとなっています。このため、歯科用レントゲンによる影響はまずありません。ご安心ください。
◎ご不安なときはご相談ください
歯科治療で用いる麻酔やレントゲンによりお母さんや赤ちゃんに影響がでる可能性は非常に低いです。しかし、それでも「どうしても不安」という場合は、ご遠慮なくご相談ください。
症状にもよりますが、応急処置にとどめておけるようであれば「麻酔やレントゲン撮影を行わない診療」もお選びいただけます。
妊娠中は症状が悪化する前に受診を
当院では、妊婦の方のつわりが落ち着きやすいとされる「妊娠4か月目~5か月目」の歯科検診をおすすめしています。
妊娠初期と妊娠後期はお母さんと赤ちゃんに影響がでやすい期間のため、基本的には応急処置のみの対応となります。妊娠中期であれば、ほとんどの治療を問題なくお受けいただけます。
妊娠中は口内環境が乱れ、虫歯や歯周病を発症しやすくなります。妊婦の方は症状が悪化する前に早めに受診するようにしましょう。